チェックポイント㉘ 軸をぶらさず、冷静に音の高低をつける



《テキスト》

「言葉は人を表す」

同じ内容でも伝え方によって、
相手の受ける話の印象は違ってきます。

良いコミュニケーションをとるために、
また言葉を大切に使うために、

日頃から言葉遣いを意識して、
「言葉」に磨きをかけてみてください。

意識することでこれまで以上に、
言葉で自分らしさを表現することが、
楽しくなります。

 

 

 

冷静に、音の高低をつける練習

音の高低をつけて、練習文の続きを読んでみましょう。

「日頃から言葉遣いを意識して、
言葉に磨きをかけてみてください」

オレンジ色の字を、グーンと高くしてみてください。

「ひごろからとばづかいをしきして、
とばにみがきけてみてください」

この時、音を高くする=声を大きくする、にならないように気をつけてください。
同じ音量をキープしましょう。冷静にいきましょう。

もう一度。

「ひごろからとばづかいをしきして、
とばにみがきけてみてください」

できましたでしょうか?

 

少しでも感情が入ったり、息が漏れたりすると、自分の後ろの軸が前後にブレます。
軸とは、「サーン」の位置から下に伸びた背骨のような軸です。
すると、この声を聞いた人は、「この人、軸がブレてるなあ」と感じます。
安定した声のために、後ろの「サーン」の「意識」の場所と軸を固定できるように意識できれば最高です。
そして、その軸上をツマミが「冷静」に上下するイメージを持ちましょう。
すると、感情が入らないまま話ができることを体感することができます。
ここが一番難しいところですね。

 

しかし、うまくできると、頭は「冷静」なのですが、「心」は動いているので楽しい気分になります。
一緒に、聞いている方の「心」も動きます。
こんな短い一文なのに、声が相手の心に届きます。

 

続けましょう。

「意識することでこれまで以上に、
言葉で自分らしさを表現することが楽しくなります」

読んでみましょう。

しきすることでこれまじょうに、
とばでじぶんらしさをひょうげんすることがたのしくなります」

 

どこを高くするのか低くするのか、考えると難しくなりますね。
なので、「私はもうアクセントを知っている!」と思って、ただ派手めに高低をつけてみてください。
 
高低をいっぱいつけて、軸がぶれない発声で読んでみましょう。
読み手は「後ろ」「軸」「高低」など、やることがいっぱいあって、意味もわからず読んでいるのですが、聞き手には、意外にも言葉の内容がよく伝わっています。
ここが不思議なところです。

 

練習してこの発声に慣れてくると、後ろの「意識」で、「どうしたらより伝わるのかな」と、考える余裕が生まれてきます。
ここまでいくと、読んだり話したりが、楽しくて仕方がなくなります。

 

さて、今、文を読んでみて気がつきましたか?
読み間違わないのです。
ネガティブな感情が全くなく、冷静に読むことができたのです。
頭の中に「間違える」という言葉がなければ、間違わないのです。
これが、あなたの実力です!
読むことに集中できたことで「あなた100%」に近づいたのです。

 

コツ!

自分の軸を固定する。
文章が終わりに近づいて、気持ちが緩んでふっと息がもれた途端、軸がブレます。
気分まかせで話したり読んだりするのではなく、後ろにおいた「意識」の位置をキープして、ブレない自分を表現しましょう。
ずっと後ろに「意識」があるのです。
忘れていたら、思い出したときに、即、後ろに「意識」を移動させましょう。

そして、これをキープしながら、音の高低をつけるのです。
すごく冷静になりますね。
初めは自分らしさがなくなって変な感じと思いますが、この感覚をぜひとも身につけていただきたいです。

 

*スピリットボイスくんから*

日常で話すときに冷静に音の高低ができれば最高だけど、なかなかできないときは、文章を読む練習がおすすめ!
自分流で読むのではなくて、後ろに「意識」を置いて、冷静に慎重に音の高低をつけてみる。
後ろの軸上で、音の高低の「つまみ」が上下しているイメージもいいね!
自分のこれまでの話し方を手放して、新しい方法に変えていこう〜!

 

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