チェックポイント⑲ 後ろ30センチの目で文章を読む



《テキスト》

「言葉は人を表す」

同じ内容でも伝え方によって、
相手の受ける話の印象は違ってきます。

良いコミュニケーションをとるために、
また言葉を大切に使うために、

日頃から言葉遣いを意識して、
「言葉」に磨きをかけてみてください。

意識することでこれまで以上に、
言葉で自分らしさを表現することが、
楽しくなります。

 

 

 

後ろの目で文章を読む

練習文を読んでいきましょう。

今度は「サーン」の位置に「目」があると思って、文章を読んでみてください。
そのとき、目の前の字に「意識」がいかないように気をつけてください。
うちわのとき以上に「意識」をキープするのが大変ですが、練習でだんだん慣れてきます。

「1、2、サーン 同じ内容でも伝え方によって」

なんだか声がすっきりしないなあ、と思われたら、もう少し高い声に挑戦してみましょう。
高い声の方が、自分の体から「意識」が「離れる」イメージをつかみやすいと思います。
そして「サーン」と声を出した時に入る下腹の力もキープしましょう。

 

「サーン」の掛け声は大きく高い声で言えても、文の読み初めの音が低くなってしまうことがあります。
「サーン」と同じ高さと強さで文が読めるよう練習しましょう。
読んだ後、気持ちがいい!と思える声が正解です。
気持ちがいいと思う声だから、聞いている人も気持ちがいいのです。
では、もう一度やってみましょう。
 
いつもよりちょっと高めで、繰り返してみましょう。

「1、2、サーン 同じ内容でも伝え方によって」

では、次の文節「相手の受ける話の印象は違ってきます」を読んでみましょう。
今、練習した声よりも、もうちょっと高めの声、もうちょっと後ろを意識することで、さらに気持ちのいい声が出ます。

「1、2、サーン 相手の受ける話の印象は違ってきます」

いかがでしょうか?

次の文節です。

「1、2、サーン よいコミュニケーションを取るために」

もう、読みにくそうな「コミュニケーション」も、迷いなく読めますね。

次です。

「1、2、サーン また言葉を大切に使うために」

もうちょっと声を高くすると、さらに堂々と聞こえるかもしれません。
やってみましょう。

「1、2、サーン また言葉を大切に使うために」

「でも、この声高すぎませんか?」と思われたかもしれません。
いつもの声に比べると、ずいぶん高いので違和感があります。
でも、録音または録画をして聞いてみると、意外に「元気のいい声」という印象だと思います。
決して高すぎではないことが多いです。

 

これは、練習をしている方にとっては、とても不思議な現象です。
「この声は高すぎる」とおっしゃった方がご自分の録画を観てみると、「あれっ、そんなに高くないですね。もっと高くてもいいぐらいですね」とおっしゃいます。
この高めの声は、いつもの声に比べて、エネルギーの高い声なのです。
つまり、今までが、低くてあまり元気のない声だったということです。

普段の会話全部をこの高めの声で話すとエネルギーが高すぎるかもしれませんが、人前で発表するときには、このぐらいのエネルギーがいいと思います。

 

コツ!

「1、2、サーン」で、「意識」を後ろにおいたまま字を読んでみます。
うちわのときと同じく、文字の意味は考えず、ただ、見えた字を音にするだけです。
さらに、字の見方が違ってきますね。
いつものように文章を見ようとすると「え〜っとぉ〜」って前かがみ気味になりそうですが、「意識」が後ろだと、ちょっとのけぞりながら読んでいるような感じかもしれません。

「意識」は後ろで、ただ、見えた字を音にしてみる。
すると、音がクリアになってきます。
また、心地よく声を出すことができます。
一生懸命、目で字を追いながら読んだときとの感覚の違いを感じてみてください。
慣れると、スラスラ読めるようになります!

 

*スピリットボイスくんから*

字を読むとき、少しでも字に気持ちが移動すると、元の声に戻ってしまいます。
これが、なかなかむずかしいところなのです。
「意識」がほんの数センチ前に動いただけで、声が変わっちゃうのです。
でも、ちゃんとしっかり後ろに「意識」を置くことができれば、勝手に、パワフルでクリアないい声に変身します!
そしてラクに声が出ます〜。
後ろの「意識」の場所が、自分から遠ければ遠いほど、いい声になるのです!!
後ろの感覚がむずかしいなあと思われたら、声を高く出してみてください。
自分から離れた感覚になると思いますよ。

 

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