【一瞬で心を掴む『一言』の力 The Power of Catching a Small Remark】ボイスブログ33
※ ラポール・ボイス(元スピリット・ボイス)は、ネガティブなことを考えてしまいがちな目の前の意識を、「1、2、サーン」の掛け声で、自分の後ろ斜め上30センチに飛ばし、俯瞰の意識で心を開放して話すボイストレーニングです ※
逃さない「ちょっとした一言」
今日はちょっとした一言を逃さないというお話をします。
ずいぶん前の話ですが、私はあるちょっと高級なカフェに行った時のことです。
何を頼もうかなと考えていると、黒い服を着てスマートな黒いエプロンをくるっと巻いた、かっこいいお兄さんがやってきました。
「何になさいますか?」と丁寧に聞かれたのですが、私はちょうど生クリームがたっぷり乗っているコーヒーが飲みたいなと思ったんです。
でもメニューを見てもよくわからず、
「すいません、この中で生クリームがグニュグニュって乗ってるのってどれですか?」
と、つい変な言い方をしてしまったんです。
自分でもちょっと恥ずかしかったのですが、なんとそのお兄さんはまじめな顔でこう返してくれました。
「はい、生クリームがグニュグニュっでございますね。それでしたら、こちらとこちらでございます。」
と、私が言った「グニュグニュ」をわざわざ繰り返してくれたのです。
かっこいいお兄さんが「グニュグニュ」と言ってくれた瞬間、私は感動して「このお兄さん、大好き!」と心の中で叫んでしまいました。
自分が言ったちょっと変な表現を同じように使ってくれる、その小さな気遣いが素敵に感じたのです。
同じ言葉で、心が通じる
似たような経験が他にもあります。
あるうどん屋さんで食事をしていたときのこと。
60代ぐらいの男性のお客さんがお酒を注文していて、店員の女性が「どれくらいの熱さにしましょうか?」と尋ねました。
そのお客さんは冗談っぽく「人肌ぐらいかなー」と答えたんですね。
すると女性店員さんはすかさず、
「はい、人肌ぐらいですね。かしこまりました。」
と自然に返していました。
するとお客さんも思わずにっこり。
このやり取りを見ていて、私自身もなんだか嬉しくなりました。
小さな言葉が作る「好き」の瞬間
私たちは、自分が口にしたちょっとした表現をそのまま受け止めてもらえると、とても嬉しく感じます。
ほんの小さな一言なのですが、それを逃さずに相手に返すことができると、一瞬で相手との距離が縮まります。
これが素敵な瞬間になるのです。
ぜひ皆さんも、日々の会話で出てくるちょっとした言葉のニュアンスを逃さずに、相手と共有してみてください。
きっとあなたの人間関係が、より温かく、豊かになりますよ。
池本美代子YouTubeチャンネル youtube.com/@miyomin
※ 俯瞰で話すボイストレーナー 池本美代子 ※
「ラポール・ボイス」は、「俯瞰(ふかん・上から全体を見る)」に意識をおいて話すボイストレーニング法です。
「意識を変えるだけで勝手にいい声になる」ラポール・ボイスは、あなたがさらにあなたらしくなるボイストレーニングです。